いとまのラウンジ

メンタルヘルス不調経験者による”今ちょっとしんどい”人に向けたブログ

自分に起こった気持ちの変化とは?適応障害になってよかった5つのこと

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こんにちは、サツキです。

このブログは主に「適応障害」や「メンタルヘルス不調」をテーマに自身の経験談を展開していますが、そういえば前向きなお話ってありませんでしたよね。笑

テーマがテーマだけになかなか難しいものではあると思うのですが、今日は少し切り口を変えてお伝えします。

適応障害を発症して約1年。それを克服し、無事社会復帰して5か月。そんな経験を経てきた私が、「適応障害になってよかったこと」を考えてみたいと思います。

今現在メンタルヘルス不調で悩んでいる方や先の見えない思いをしていらっしゃる方の、少しでも励みになれば嬉しいです。

1.仕事を辞められた

まずは、心身を病むほどつらかった環境から抜け出すことができた、ということです。

適応障害やメンタルヘルス不調に罹るタイプの多くが、真面目で責任感の強い人が多いのではないかと思います。自分で言うのもなんですが、私もどちらかというとそうです。

そんなタイプだからこそ、環境に違和感を感じていてもなかなか仕事を辞められない。辞めたと決意しても、しっかり引継ぎをして後を濁さず去る。そう考えるのが当然かと思います。

しかし当時の私は、明日にでも辞めたいくらい抑うつ状態と身体の不調が深刻でした。

ただ、性格上「仕事に行かない」という選択肢を選べずにいました。当時は入社してまだ5か月で、本当に辞めるなんてもってのほかです。

それが思い切って心療内科にかかり診断書をもらった結果、いとも簡単に休職でき、そのまま自然消滅のような形で退職し、辛かった環境を離れることができました。

もし心療内科に行かず適応障害と診断されていなかったら、もちろん辞めることもできず、その上うつ病にまで発展した可能性が高かったでしょう。

因果関係が逆ですが、適応障害になったおかげで辞められたのだと思います。

2.人生の夏休みが手に入った

そうして退職したことで、休職期間を含め約7か月間の静養期間を得ることができました。

この期間中は崩れた体調を養うことはもちろんですが、ある程度元気になったら自分の好きなように過ごしました。1日中のんびり家で過ごしたり、好きな時に出かけたり、2度も海外旅行に行ったり。とにかく会社員ではなしえないような生活を送りました。

もともとワーカホリック気質で、会社員時代の長期休暇と言えば年末年始の1週間ほど。連休のない職種の方もいるので、あるだけマシだったかもしれませんが、私もGWや有給取得を経験したことがなく、ましてやこれだけ長期で休めることは初めてです。

社会人11年目にして、こういった人生の夏休み期間を設けられたことは、休養はもちろんこれからを考えるいいタイミングになったような気がします。

3.自身の"働く"価値観が整理できた

長く何もしない期間があることによって、自分の価値観を改めて整理できました。

それまでは、「バリバリ働いて成果を出してどんどん出世したい!」という志向だったのですが、「出世もしたいけれど、それ以上に細く長く、着実に仕事をし続けたい」という考え方に変わったのです。

ただでさえライフイベントによって移ろいやすい女性のキャリア。それまでの身を粉にして働き刹那的に花を咲かせる働き方から、心身のバランスをとりつつ健康に働き続ける生き方を選びました。これは年齢や性別によって変わってくることかと思いますが、当時の私にはベストな考え方でした。

もちろん、今までの仕事をする中で得られた考え方も私の中で大切です。しかしこのように、仕事から離れて改めて生まれる価値観も、人生を生きる上で同様に大切なのではないか、と思わされました。

4.人と接する上での反面教師を学ぶことができた

私が適応障害にかかった要因の一つが、同僚からの精神的ストレスです。

個々が適応障害になるのは色んなタイミングや人間関係が複雑に絡み合ってのことなので、その人物が一方的に悪人だということではありません。

そのため特定の事柄を描くのは避けますが、その経験を通して自分の中で「こういう部分は私の尊敬とするところではない」という事例がとてもはっきりしました。

そしてその事例は、色々な体験を重ね成功も経験するのだとしたら、人とコミュニケーションをとる限りは、誰しもがそうなる可能性をはらんでいるということ。

人間性と腹の内は、言葉と態度に出ます。

この経験は反面教師を学ぶと同時に、これから自分が生きていくにあたって、「あるべき(ありたい)姿像」をさらに明確にしてくれたように思います。

5.「今が人生の底辺」と思え、いい意味で力が抜けた

私の人生で、適応障害にかかった会社で働いた経験とその症状に苦しんだ期間ほど地獄だったことはありません。笑

その上あれほど仕事に一所懸命だった自分が、今や無職。心身共にやられ、プライドも崩れ、色々あった人生の中でもこの時が一番最悪でした。

ですが、おかげで「今が人生の底辺、もう下がることはない」という半分あきらめの気持ちと、そんな中でも少しずつ生きれていることに対し、「人生、多少休んでもなんとかなる」と思えることができました。

おかげで前よりは少し楽観的になり、「ダメなときは何をしてもダメ」「疲れたら休む」というある種開き直りの精神を持つことができたように思います。

これは、いつも生真面目で手を抜くことを知らなかった私にとって、とても大きな変化でした。

まとめ:自分の価値観や理想像を見直せた!

適応障害になってよかったこと、まとめると2種類に分かれます。

1つは「会社を辞められた」、「長期の休みができた」といった、物理出来な部分。

2つは「働き方や理想像といった価値観の整理ができた」、「楽観的になれた」という精神的な部分。

休めたことも出来事としてとても大きかったのですが、それは点の部分。やはり色々な気持ちの変化が、これからの自分につながる線になったということで印象深いです。

総括して、いい意味で適当に、多少のことは気にしない人間になれたような気がします。今までは、起こるものごとの全てを自分に紐づけて直に受け止めていました。でも今回のことで、「知らないものは知らない」「これは気にしてはいけない」という、自分を守れる考え方ができるようになりました。

適応障害になってしまうことはとても辛いですが、自分の働き方や価値観の見直しができるいいチャンスなのかもしれません。

生真面目なタイプは、関係ないところまで自分に厳しくしてしまいます。考え方が変わることで、甘さとはまた違う本当の意味で自分に優しい生き方ができるような気がします。

 

以上、適応障害になってよかったことをひねり出してみました。

今つらい方、越えたら何かしら違う景色が見えるはずです。応援しています。